midor/io

カテゴリー: 補助金・支援制度

  • 農業者向け補助金の探し方【2026年9月版】IT・省力化設備・電動農機

    農業者向け補助金の探し方【2026年9月版】IT・省力化設備・電動農機

    農業で使う機械やITを導入したいとき、「利用できる補助金はないか」と考える方は多いでしょう。しかし、農業者向けの補助金を探すときは、補助額だけを比べても自分に合う制度は見つかりません。

    大切なのは、導入したいものが登録製品なのか、どの作業を省力化するのか、申請者の区分や従業員数が要件に合うのかを順番に確認することです。一般的なトラクターや農機の買替えに、そのまま使えるとは限りません。

    この記事では、2026年9月14日時点の公式情報を基に、現在申請中、または受付開始日が確定している全国制度を整理しました。年度内でも申請期限や必要な事前手続きがすでに終了し、次回募集が示されていない制度は候補から外しています。デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の締切日程は、2026年9月29日に公式の事業スケジュールで再確認して更新しました。

    ※補助金は、申請しても必ず採択されるものではありません。対象者、対象経費、契約できる時期などは、必ず最新の公募要領と事務局の案内で確認してください。

    IT、省力化設備、電動農機の3つの入口から農業者向け補助金を探すイメージ

    最初に確認したい3つの入口

    買いたいものから制度名を探すより、解決したい課題から入口を選ぶと整理しやすくなります。

    導入したいもの・目的制度の候補2026年9月14日時点の状況最初の確認点
    営農管理、会計、受発注などのソフトウェア・クラウドデジタル化・AI導入補助金2026 通常枠【9月29日更新】5次締切は終了。6次締切は10月30日17時ITツールと支援事業者が登録されているか
    自社の現場に合わせた設備導入・システム構築中小企業省力化投資補助金 一般型第8回9月18日10時受付開始、10月16日17時締切従業員数、生産性・賃上げ要件、事業計画に合うか
    登録された電動の農業機械令和8年度 農業機械の電動化促進事業11月30日まで受付希望する型式が対象機械一覧にあるか
    導入したいものをITツール、省力化設備、電動農機に分け、申請者区分や期限などを確認する流れ
    図:midor/io編集部

    このほか、省力化投資補助金には登録製品を選ぶ「カタログ注文型」もあります。ただし、今回確認した公式の製品カテゴリ検索では、農業を対象業種とするカテゴリを確認できませんでした。農機向けの制度としてではなく、加工・製造・卸売・小売などを兼営し、該当カテゴリの対象業種と一致する場合の補足候補として考えるのが安全です。

    農機を導入したい人は、電動農機と省力化設備を分けて考える

    「農機に使える補助金」を探していても、一般的な農機なら何でも対象になる制度は多くありません。現在確認できる全国制度では、登録された電動農機を選ぶ場合と、自社の現場に合わせて省力化する場合を分けて検討します。

    登録された電動農機を導入する場合

    「令和8年度 農業機械の電動化促進事業」は、農業機械の電動化による二酸化炭素排出量の削減を支援する制度です。農業者や農業者が組織する団体などが対象に含まれますが、申請者ごとの要件があります。

    対象になるのは、事務局が登録した未使用の電動農機です。2026年7月30日版の一覧では、運搬車、草刈機、水田除草機、管理作業車、高所作業機、管理機、肥料散布機などを確認できます。分類だけで判断せず、導入したいメーカー・型式が最新の対象機械一覧に掲載されているかを確認しましょう。

    注意したいのは補助額の計算です。本体価格全体の3分の2ではなく、電動農機と対応する従来型農機の販売価格差の3分の2が基準です。希望する機械の価格だけを見て、受け取れる金額を見積もらないようにしてください。

    申請期間は2026年7月7日から11月30日までです。申請はJグランツを利用し、購入契約は交付決定後に行います。購入・支払い後に実績報告、補助額の確定、精算請求を経て入金されるため、先に代金を用意できるかも確認が必要です。

    導入後は、導入年度に加えてその後3年間、二酸化炭素削減実績を報告します。補助金を受け取ったら終わりではなく、使用実績を記録できる体制まで考えておきましょう。

    現場に合わせた設備導入・システム構築を行う場合

    中小企業省力化投資補助金の一般型は、人手不足に悩む中小企業などが、現場に合わせた設備導入やシステム構築によって省力化するための制度です。第8回は2026年9月18日10時に申請受付が始まり、10月16日17時に締め切られます。

    機械装置・システム構築費は必須経費です。ただし、単に欲しい農機を購入するための制度ではありません。どの作業にどれだけ時間がかかっているか、導入によってどれほど省力化できるか、付加価値や給与をどう増やすかを事業計画で示す必要があります。

    第8回では、従業員が0人の事業者は応募できません。また、3~5年の事業計画を作り、労働生産性を年平均4%以上伸ばすこと、1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上伸ばすこと、原則として事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすることなどの基本要件があります。特例や未達時の扱いもあるため、数値だけを抜き出さず公募要領全体を確認してください。

    補助率は中小企業が2分の1、小規模・再生事業者が3分の2で、補助上限は従業員数などにより異なります。上限額が大きくても、申請者要件と事業計画が合わなければ利用できません。まず従業員数と賃上げ要件を確認し、その後に設備の対象性を事務局へ相談するのが現実的です。

    加工・販売などを兼営している場合の補足

    省力化投資補助金のカタログ注文型は、カタログに登録された製品を、登録販売事業者と共同で申請する制度です。補助率は2分の1以下で、2027年3月末頃まで随時申請を受け付けると案内されています。

    ただし、登録製品にはカテゴリごとに対象業種が設定されています。今回、農業を対象業種とするカテゴリは確認できなかったため、農業者なら使える、選別機や保管設備なら使える、とは判断できません。

    農産物の加工・製造、卸売、小売などを別事業として行っている場合は、その事業と製品カテゴリの対象業種が一致するかを確認してください。農作業で使う汎用設備の購入先として、最初からこの制度を当てにするのは避けた方がよいでしょう。

    ITを導入する場合は、登録ツールかを先に確認する

    デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠は、業務のデジタル化や生産性向上につながるITツールの導入を支援します。対象候補には、登録されたソフトウェア、最大2年分のクラウド利用料、導入に必要な設定や研修などがあります。

    農業者が使う営農管理、会計、販売管理などのサービスでも、サービス名やプランが自動的に対象になるわけではありません。補助金事務局に登録されたITツールであり、登録されたIT導入支援事業者と申請できることが前提です。契約する前に、公式のITツール検索と支援事業者検索で確認してください。

    通常枠の補助額は、業務プロセスが1つの場合は5万円以上150万円未満、4つ以上の場合は150万円以上450万円以下です。補助率は原則2分の1で、一定の最低賃金条件を満たす事業者は3分の2となる場合があります。

    申請前にはGビズIDプライムの取得と、SECURITY ACTIONの宣言が必要です。GビズIDのオンライン申請には最短即日発行の案内がありますが、即日発行や補助金の締切に間に合うことが保証されるわけではありません。書類申請は審査に最大1か月かかるとの案内があります。

    5次締切(2026年9月29日17時)は終了しました。同日に公式の事業スケジュールを確認した時点で、6次締切は2026年10月30日17時、交付決定日は12月10日(予定)と公表されています。GビズIDをまだ取得していない、支援事業者が決まっていない、必要書類がそろっていない場合は、まず6次締切に間に合うかを支援事業者へ確認しましょう。7次の表示もありますが、確認時点では日程が公表されていません。次回がある前提で契約を進めないことも大切です。

    また、交付決定前に契約、発注、納品、支払いを行った経費は補助対象になりません。「締切が近いから先に契約する」という判断は避けてください。

    申請前に確認したい5つのこと

    制度の候補が見つかったら、次の5点を確認します。

    1. 申請者の区分
      個人事業主、株式会社、農業法人、農事組合法人など、組織形態によって扱いが異なります。農業者であることだけで対象になるとは限りません。
    2. 実際に残っている期限
      本申請の締切だけでなく、事前確認、支援事業者との共同作業、自治体の取りまとめ期限がないかを確認します。
    3. 製品・経費と必要な準備
      登録型式、対象経費、見積書、GビズIDなど、申請前に必要なものを洗い出します。
    4. 契約・購入してよい時期
      多くの制度では、交付決定前の契約や購入は補助対象外です。販売店の納期と補助金の手続きは分けて考えます。
    5. 立替えと報告を続けられるか
      補助金は後払いが基本です。購入代金の準備に加え、実績報告や数年間の効果報告を担当できる人も決めます。

    農事組合法人など、制度ごとの対象可否を一律に判断しにくい組織形態もあります。公募要領の表だけで判断できない場合は、事務局へ組織形態と事業内容を伝え、申請できる区分を確認してください。

    一般的な農機の買替えは、自治体の窓口にも確認する

    全国制度の登録製品や要件に合わない場合は、都道府県や市町村の農業担当窓口で、地域独自の支援を確認します。自治体の制度は地域、作物、認定農業者等の区分、導入する機械によって条件が大きく異なります。

    まず自治体の公式サイトで、「令和8年度 農業機械 補助」「2026年度 スマート農業 補助」などと検索します。そのうえで、市町村の農政担当課、都道府県の普及指導センター、地域のJAなどに次の点を確認するとスムーズです。

    • 今年度、農業者本人がこれから申請できる制度があるか
    • 希望する機械・型式と、自分の申請区分が対象か
    • 国や都道府県の締切ではなく、農業者が書類を出す締切はいつか
    • 事前相談や見積書の取得が必要か
    • 予算残額や早期終了の可能性があるか
    • 交付決定前に契約してよいか

    「予算が成立した」「国の公募が始まった」という情報だけでは、農業者がその時点で申請できるとは限りません。自治体が要望調査を締め切っている場合もあるため、必ず農業者本人の期限を聞いてください。

    まずは導入計画を1枚にまとめよう

    補助金の相談へ行く前に、次の内容を1枚にまとめておくと、制度に合うかを確認しやすくなります。

    • 導入したい機械・ITツールの名称や型式。未定なら用途
    • 現在困っている作業と、かかっている人数・時間
    • 導入後に減らせる作業時間や改善したい数字
    • 申請する人・法人の区分と従業員数
    • 概算費用、購入希望時期、立替えに使える資金
    • 導入後の実績・効果報告を担当する人

    営農管理アプリの導入費用を整理する場合は、初年度・継続費用と作業時間の考え方も参考にしてください。

    補助金は「買いたいものがある」だけでは進めにくい制度です。対象者、対象製品、締切、購入してよい時期を確認し、導入によってどの作業をどう改善するのかを整理してから、公式窓口や支援事業者へ相談しましょう。

    公式情報

    ※この記事の制度情報は2026年9月14日時点です(デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠の締切日程のみ2026年9月29日に再確認)。公募内容、締切、登録製品、予算状況は変更されることがあります。申請前には必ず各制度の公式サイトで最新情報をご確認ください。